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ベルリンの若手演出家の中でもユニークな演出によって国内外から注目を集めているエンリコ・シュトルツェンブルクを大阪に招き、日本人の俳優・スタッフと共に約2週間かけて精華小劇場で舞台を作り上げていく国内でも珍しい企画を行います。
作品は彼が演出し、ベルリン・シャウビューネ劇場で上演し大好評を得た『Kebab』。西側社会での成功を夢見てルーマニアからアイルランドに渡った3人の若者が頼る者もない異国の地で必死に生き抜こうとする姿を、息つく間を与えない緊張感に包まれた演出で描き出す衝撃的な作品です。
ワークショップ、レクチャーと共に是非ご参加下さい。

|あらすじ|
ダブリン行きの飛行機には、ルーマニア人の二人の若者が隣り合わせていた。十六歳の少女マダリーナと二四歳の学生ボグダンである。二人は祖国を捨て、希望に燃えて新天地アイルランドでの生活を始めようとしていた。ルーマニアの公園でマダリーナは、芸能プロダクションをやっているというヴォイクにスカウトされ、彼を頼ってダブリンに行くのだ。ルーマニア人の「彼氏」は二年前からそこで暮らし、アイルランドの国籍も取っているという。一方ボグダンは奨学金をもらってビジュアルコミュニケーションという芸術系の学問を勉強したいと考えていた。論文を書いて修士の学位を得たら、明るい未来が待っていると期待する。
だがダブリンで二人を待っていたのは厳しい生活だった。ヴォイクは偽造パスポートや飛行機代にお金が掛かったと言い、マディ(マダリーナ)を一日中、ケバブ屋で働かせる。立ち尽くめの仕事は辛く、こうした肉体労働から抜け出せないと考えていたマディだが、ある日ヴォイクから、十倍儲かる仕事を見つけたので、もうケバブ屋で働かなくてもいいと言われる。それは少女売春であり、斡旋屋を務めるヴォイクに強要され、マディは車や家で性を売る。パブのトイレで知り合ったボグダンに、ヴォイクは女を紹介する。こうしてマディとボグダンは四ヵ月ぶりに再会する。ボグダンも新しい社会に溶け込めず、映像関係の学問をしながら、何一ついいアイディアが浮かばず悶々としていた。ボグダンはオーラルセックスの様子を、彼の隠しカメラで撮影していた。
マディの若く、セクシーな女性的魅力と、ボグダンの専門知識や新しいスタイルの映画への欲求を利用して、ヴォイクはルーマニア人だけの事業を起こそうと提案する。マディのセックスの様子をボグダンが画像に撮り、インターネットで配信して大儲けしようというのだ。こうして奇妙な共同生活が始まリ、三人は違法の商売網を広げていく。やがて広告関係の会社に就職が決まったボグダンはサイトの商売から足を洗おうとするが、マディはボグダンの子を宿したと言う。だがヴォイクを置いて二人で出て行こうというマディの言葉にボグダンは耳を貸さない。ヴォイクはボグダンに「ここには存在しない女」を殺したらとそそのかし…。

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